Cantalupoから北東へ約10キロ。山の奥へと車を走らせる。
海抜457mの山腹にあるRoccanticaは、過疎の村だった。
人口631人、世帯数253、家屋数454。
鐘楼のある広場では、魚屋が店を開いていたが、客は男性ばかり。
世間話に夢中だった。
村の入り口の坂道から、Sabina地方が見渡せる。
村の中心って、どこなのだろう?
そろそろお昼時。お店、あるかしらと不安になった。
坂の途中で、とうとう雨が降り出した。
階段を上って来る女の子。
お揃いの、リュックとエプロンがかわいらしい。
雨足が強くなってきた。
カメラが心配で、食品店の軒下で雨宿り。
" レストランはこの先にありますよ " と、店のおねえさんが教えてくれた。
小降りになったところで、ふたたび階段を上り始めた。
雨上がりの路面は、滑りそうで怖い。
正面に大きなハサミの看板。床屋さんの扉は閉ざされたままだった。
やっと村の頂上に着いた。
雨が上がり、崖に咲く”アフリカンデージー”の花が開き始めた。
レストラン、どこだろう、、、
崖の真下にやっとレストランを見つけた。
眼下に広がるSabina地方。
小高い丘と村々が点在し、その周りには雨上がりの緑豊かな牧草地。
急な階段を、一段一段ゆっくり降りる。
レストランのテーブルは赤と白のクロスでsettingされ、
山奥にもこんなきれいなお店が!と驚きだった。
Lunch は手作りのラビオリ。
さっぱりして、おいしかった味は、忘れられない。
食事を終え、広場に向かう途中には、信仰深い村人の家々が並ぶ。
マリア像を飾る古い壁。
カトリックの長い歴史を感ずる村だった。
広場の片隅に置かれたゴミ箱には、花が筆で描かれていた。
東京の街角にもこういうのがあったら、、、
素敵です。
Roccanticaを後にし、ホテルへと山道を下る。
山の斜面には白い花が咲いていた。梅、それとも桜?
名は知らずとも、疲れが和らぐ春の風景だった。