Farfa を後にし、北へ約20分。
この辺りでは、最も大きな街 Poggio Mirteto に着いた。

午後1時半、お腹が空くはずだ。
街に入る手前の急坂に車を停め、空腹を我慢しながらレストランを探した。

歩道は驚くほど広く、
ベンチがあちらこちらに置かれていた。
大きな街にしては人が少ない。

吹く風は冷たく、コートの襟を立てる人も。

小学校の下校時間。
生徒がどっと外へ出てきた。迎えの父兄と一緒に帰って行く。

学校の壁の茶色が、印象的だった。

お店を探し始めて20分。やっとPizzeriaが見つかった。

Pizzeria "Renzi"

空腹で寒かった事もすっかり忘れ、ニコニコ顔でお店に入った。

お店は、近所の人や仕事中の労働者などでにぎわっていた。
ケースの中には四角いピザが一杯。
どれもこれも、おいしそう。

"これ下さい"
"今、売れ切れになったところです。少し時間がかかりますが、、、”

特別おいしそうだったのが、これ。
緑のオリーブ、アンチョビ、イタリアンパセリ等々。

結局注文したのは隣にあったピザ。一切れがすごく大きかった。

どこで、ピザ食べようか、と歩道をあるく。

"Fiori" (花屋) が目に入った。セール中の張り紙がある。
ユリ、ダリア、ストック、そして白いカーネーションの前には犬。

花屋の近くに、やっとCafeを見つけた。
小さな店の隅っこにテーブルが一つ。

テーブルには前の客が残した新聞があった。
イタリア語、やっぱりわからない。

熱いカプチーノを飲みながら、
夢中でピザを口にした。

"おいしそうな匂い。入っていーい?"
"こっちへいらっしゃい" と、店のお姉さんの声。

"たしか、花屋の犬ね。おとなしそう"
と、わたしはつぶやいた。

曇り空がどんどん暗くなって来た。

標識を見ると、ホテルはこの道の先の方向らしい。
左方向には、ローマ行きの鉄道の駅。

Romaが近いのに、なぜかこの街は寂しげだった。